KAGURA

DÉ DÉ MOUSE × KAGURA「KAGURAと音楽、そしてテクノロジーの未来」

11月16日(木)に東京・渋谷のPLUG IN STUDIO by nana × 2.5Dで開催したKAGURAの魅力をぎゅっと2時間に詰め込んだイベント「KAGURA Scene Vol.1」。今日はその中から、ゲストとしてミュージシャンのDÉ DÉ MOUSEさん、そしてエンターテックの提唱者で、KAGURAのサポーターでもあるParadeAllの鈴木貴歩さんをモデレーターにお迎えしたトークセッションの模様を再構成してお届けします。DJ、そしてトラックメイカーとしての視点から見たKAGURAの魅力、そしてその未来とは?

登壇者プロフィール

DÉ DÉ MOUSE

遠藤大介によるソロプロジェクト。作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス/マスタリング、映像と多方面に活動し、他作品のプロデュース / 楽曲提供 / remixも行う。メロディカットアップの手法とキャッチーで不思議なメロディ/和音構成は、国内外問わず多くのフォロアーを生み、以降のシーンに一つの発明とも呼べる功績をもたらす。トラックメイカー/プロデューサーとしてのライブの追求にも早い段階から積極的であり、2008年からはバンドを従え、フジロックやタイコクラブなど、毎年多くのフェスやイベントに出演。バンドシーンとクラブシーンの枠組みを超えた縦横無尽なライブパフォーマンスは人々を魅了し続ける。

鈴木貴歩(ParadeAll株式会社 代表取締役)

エンターテック・アクセラレーター。エンタテインメント、テクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、イベント主催、海外展開支援などを手がける。2014年に立ち上げた日本初の音楽xテクノロジーのカンファレンス、「THE BIG PARADE」Co-Founderも努める。KAGURAのアンバサダーを2016年から務め、アーティストリレーションや海外展開などに協力している。

中村 俊介(株式会社しくみデザイン代表取締役社長、クリエイティブ教育ラボ所長)

1975年生まれ。名古屋大学卒業後、九州芸術工科大学大学院(現九州大学・芸術工学研究院)へ進学。在学中に開発した新世代楽器「KAGURA」をきっかけに、2005年にしくみデザインを設立。2017年7月に子どもたちのクリエイティビティを育むためにクリエイティブ教育ラボを創設。

KAGURAと盆踊りのコラボは現地で仕込んだ

鈴木:今日のパネルディスカッションのテーマは「KAGURAと音楽、そしてテクノロジーの未来」ということですが、まずは今日はDÉ DÉ MOUSEさん(以下DÉ DÉさん)にゲストとしておいでいただいているので、まずはKAGURAとDÉ DÉさんのつながりというところからお話できたらと思います。実は少し前にお二人は六本木ヒルズでコラボしてるんですよね。

中村:この夏に六本木ヒルズのアリーナで開催された盆踊りのイベントでコラボしたんです。アリーナの真ん中に櫓をたてて、その周りをお客さんが盆踊りすると。そして櫓の上にDÉ DÉさんがいらっしゃって。六本木ヒルズのアリーナには大きなディスプレイがあるんですけど、そこにKAGURAの画面が映っています。KAGURAとカメラは櫓の下に置いてあって、踊る人たちをそのカメラで映して、お客さんの体の動きで音が鳴るようになっています。ただ実際にKAGURAが出しているのはMIDI信号で、それがDÉ DÉさんの卓に送られていて、音はDÉ DÉさんに制御していただくというかたちのコラボレーションですね。

DÉ DÉ MOUSE:本当に楽しかったですね。

鈴木:盆踊りの現場って、実際はどんな感じだったんですか?

DÉ DÉ MOUSE:みんなKAGURAに向かって手を振ってくれて。大人も子どももみんな楽しそうにやっていましたね。「うわ、音が出たー」とか。すごく微笑ましい光景でした(笑)

中村:なんか微笑ましかったですね(笑)

鈴木:準備はどんな感じだったんですか? 現場で急づくりでセッティングした感じですか?

中村:本番になってみるまで、どういう機材でどんな風に設置すればいいかってギリギリになるまでわからなかったんですよ。だから現地でDÉ DÉさんのセッティングにどうKAGURAを入れ込むかというのを一緒に考えました。どこにカメラを置くかとか、どんな音を鳴らせば踊っている人たちに楽しんでもらえるかとか。そこでじゃあKAGURAからはMIDI信号を送るので、合う音をDÉ DÉさん選んでもらえますか、という話をして。

DÉ DÉ MOUSE:カーンカーンみたいな音を選んだんですよね。

中村:そうそう。

鈴木:なるほど。そういう簡単な準備であのクオリティを実現できるのがKAGURAのすごいところですね。

KAGURAの技術がある時代

鈴木:DÉ DÉさんのKAGURAの第一印象ってどうでしたか?

DÉ DÉ MOUSE:なにかスゴイものを見たとき、人間って思った以上にそれを受け入れちゃうものだと思っていて。最初にKAGURAを見たのは確かショッピングモールなんですよ。ショッピングモールの広場みたいなところに大きなスクリーンがあって、そのスクリーンに子どもたちが手を振ったりとかしていると、画面の中の風船が割れるみたいな。

中村:それはKAGURAではないんですけど、ただKAGURAと同じ技術を使ったしくみデザインのデジタルサイネージですね。

DÉ DÉ MOUSE:新しいテクノロジーって結構ゲームセンターにあったりしますよね。だからそういうテクノロジーを使った音ゲーとか出るんだな、もうあったりするのかな、と思っていたんです。それが去年くらいかな。そして今年の盆踊りのころにスタッフからKAGURAを紹介されたんですよ。面白いですよって。で、どんな技術?ってスタッフの説明を聞いているうちに「あ、それ、前に僕見たな」って。そういうデジタルサイネージを見ているから、へぇ、もうこんな技術が普通にある時代になったんだなって、なんかしんみり感じましたね(笑)

中村:しんみり感じた(笑)

DÉ DÉ MOUSE:しんみりしちゃった(笑)

鈴木:ではテクノロジーのことは意識しつつも、感覚的にはすんなりKAGURAを受け入れられたという感じですか?

DÉ DÉ MOUSE:iPhoneが初めて出てきたときも、タッチスクリーンの電話なんて電池を食うだけだし、電話とかメールとかの基本機能が遅かったら意味なくね? みたいな否定的な意見が多かったりするでしょ。自分の情報や価値観を超えたとんでもないものが来ない限り、人ってそういうものだと思っていて。だから僕も普通に受け入れられましたね。でも話を聞いているうちに、賞をたくさん取っているとかっていろいろな情報が入ってきて「あ、KAGURAってすごいんだ、やば」ってなって(笑)。そんなにスゴいものとコラボできるんだったら、ちょっとぜひ一緒にやりたいってという感じになりました。

DJパフォーマンスとフィジカルコントロールの可能性

 鈴木:たとえばライブパフォーマンスでフィルターをかけるときって、下を向いてつまみを操作するじゃないですか。でもそうじゃなくて、自分の体の動きでそういう何かをコントロールすることに対しては何か可能性を感じていますか?

DÉ DÉ MOUSE:それはあります! 例えば僕が手を上げるとバスドラが鳴るとか、シャキーンって音がなるとか、すごくいいですよね。そういう音を鳴らすときって盛り上がるところなので、もっと面白くできたらいいなぁと考えてますね。そういう演出ってバンドのライブというよりは、DJイベント、特に今だとEDMみたいなイケイケな感じのフェスにすごく需要があると思うんですよね。今のDJの世界ってバンド以上にエンタテインメントが必要とされていて、僕もマイクでMCしながら「ワン! ツー! スリー! フォー!」とかやっていますからね。そういうのをしないといけないんですよ(笑)

中村:しないといけないんですね(笑)

DÉ DÉ MOUSE:そういう時代なんですよ! それでみんなが盛り上がりますからね。ただ「ワン!ツー!スリー!フォー!」って盛り上げて、お客さんの手が上がったときに音を鳴らすとか、バスドラがずーっと鳴っている中でDJが手を上げた瞬間に音をならすとか、そういうことをしようとすると今はボタンを押すしかないですよね。

鈴木:ボタンとかパッドとかつまみとか。

DÉ DÉ MOUSE:でもKAGURAを使えば、DJが手を上げただけでレゲエホーンを「プオーンプオーン!」って鳴らすとかって普通にできますよね。しかもそれをスクリーンに映せるし。だからバンドのパフォーマンス以上に、ダンスミュージックフェスとかDJとか、クラブシーンにすごく需要があるんじゃないかって感じるし、もういち早くやりたいですね。誰かがやる前に(笑)

中村:なるほど。誰かがやる前に。

DÉ DÉ MOUSE:いろんなことを誰かがやる前にやってきたんで(笑)

鈴木:でもDÉ DÉさんの音楽ってレゲエホーン鳴らないですよね(笑)

DÉ DÉ MOUSE:僕も自分の音楽にはレゲエホーンは合わないと思っていたんだけど、思い切ってやってみたらお客さんがめっちゃ喜ぶんですよ。

鈴木:じゃあKAGURAとDÉ DÉさんのコラボで次はレゲエホーンが聞けるかも?(笑)

DÉ DÉ MOUSE:まずは先にかっこいいことやりましょう。かっこいいことをやってから「プオーン!」をね(笑)

KAGURAでDJがブースでやっていることを可視化する

 DÉ DÉ MOUSE:最近トラックメイカーが一人でライブするときに、自分の横にドラムを置く人が多くなったんですよ。タムとかシンバルとか。

鈴木:ほうほう。

DÉ DÉ MOUSE:で、それを叩くとお客さんがすごく反応するんですよ。やっぱりそれってパフォーマンスが可視化されているからですよね。だからDJでも、DJがブースでやっていることとは別に、例えば手を上げると音が鳴るとか、そういうのがあるとすごく盛り上がると思うし、絶対それが多用される時代になると思うんですよ。

鈴木:パフォーマンスがフィジカルと結びついて、DJやトラックメイカーが新しいパフォーマンスができるようになるということですよね。

DÉ DÉ MOUSE:今の時代でもDJカルチャーって日本では根付いていないんですよ。なんでかっていうと、要はDJって他人の曲かけてるだけじゃん、みたいな価値観を持っている人が多くて。でも実際はそんなことないんですけど。ミュージシャンの中でDJがどうしても下に見られがちなのって、やっぱり何やってるかが分からないからだと思うんです。でもこれが可視化されてくると状況が変わるかもしれない。DJカルチャーがもう少しわかりやすくなるんじゃないかな、と。というか、なるんじゃないかな、なってくれるとうれしいなって。そういうところにもKAGURAの可能性があると思います。

鈴木:それは僕も前から思っていて。バルセロナでやっている音楽のフェスティバルでSónar Festivalというのがありまして。その中で音楽系スタートアップのピッチイベントをやっていて、世界中からいろんな企業や製品が集まったんですけど、KAGURAは去年そこでグランプリを受賞したんですよ。でもそれってやっぱりデジタルとかダンスミュージックをベースにしたソナーって場も大きかったんじゃないかなと感じているんです。

中村:あとはヨーロッパだったというのも大きいかも。KAGURAをいろいろな国に持っていったんですけど、ヨーロッパでの反応がすごくいいんですよ。何人かからはKAGURAをクラシックに使えばいいじゃんって言われて。クラシックって「昔ながらの」みたいなイメージがあるじゃないですか。でもヨーロッパってそこに新しいテクノロジーをガンガン入れるのは平気みたいで。

DÉ DÉ MOUSE:ヨーロッパとかアメリカとか、海外のフェスで話題になって、カルチャーとしてそれが日本に逆輸入というのもあるかもですね。

鈴木:で、そこでDÉ DÉさんが先駆者になると(笑)

DÉ DÉ MOUSE:僕が自分で先駆者っていうと、すごくかっこ悪いから、周りの人が言ってくれないかなぁって(笑)

鈴木:僕が言いますから大丈夫(笑)

演者やプレイヤーは「楽しみ方」を指南する存在

鈴木:DÉ DÉさんはKAGURAを使って、今どんなことをやってみたいですか? ぱっと思い浮かぶところでも構いませんので。

DÉ DÉ MOUSE:ぱっと思い浮かぶところだと、何かわかりやすくみんなが盛り上がるようなことがいいですね。さっき言ったみたいに、拳を上げるとわかりやすい音がなるとか。まずそういうところからスタートかなーと。最初からいろいろ音が鳴っちゃうとわかんなくなっちゃうと思うので。

鈴木:トラックが鳴ってるのかなって思っちゃうでしょうね。

DÉ DÉ MOUSE:例えばですけど、スーパーマリオのブロックの音とか、コインを取ったときの「チャリーン」って音とか。そういう音がなるとわかりやすいかな。ただこれってうまく音に合っていないとすっごくかっこ悪い。だからうまく音と合わせながらできたら面白いなーって。

中村:さっきの盆踊りみたいに、DJじゃなくて、お客さんの方にカメラを向けてお客さんが音を鳴らすのってDJとしてはアリなんですか?

DÉ DÉ MOUSE:アリだとはおもうんですけど、やっぱりうまくやらないとダメだし、それが難しいでしょうね。プレイしている曲があるわけだし。そういう意味でもさっき言った、短くてわかりやすい音が合っていると思いますね。ロングトーンだと誰かが鳴らした音がずーっと伸びていっちゃうだけになるので。使い方と使う音が重要ですね。

鈴木:KAGURAはクオンタイズ機能があるので、1/4とか1/8とか設定しておけば、みんながランダムに触っても音がグチャってならないんですよね。それもKAGURAの利点かなぁと。

DÉ DÉ MOUSE:KAGURAってお客さんがプレイしているあいだに設定って変えられるんですか?

中村:変えられます、変えられます。

鈴木:KAGURAはアイコンもオリジナルで作れるんですよ。

中村:だからあのDÉ DÉさんが書いてるマウスがあるじゃないですか。あの絵をKAGURAに読み込んで、音を付けて演奏とかもできますよ。

DÉ DÉ MOUSE:LINEスタンプで出してるrakugaki mouseでしょ?(笑)

中村:KAGURAを使えばDÉ DÉさんが描いた絵の中にDÉ DÉさんも映っていて、それをスクリーンに映し出すってパフォーマンスができます。

DÉ DÉ MOUSE:あのキャラが僕の横にいるんでしょ? それはカッコよくないですね(笑)。カッコイイことやりましょう! ちなみにKAGURAってスマホに対応しているんですか?

中村:スマホはまだ対応できてないんですよ。ただスマートフォンでKAGURAをやりたいって声もかなりあるので、そのうち対応できたらと思っているんですけれど。

DÉ DÉ MOUSE:あとは音が最初はランダムに鳴っているのが、だんだん四つ打ちになっていくみたいな演出も面白いかも。そしてその四つ打ちにDJが次の曲を合わせていってと。こうすればみんなわかりやすく曲に参加できる。お客さんがプレイに参加できるっていうのは、すごくいいですよね。それがなにかのリズムに鳴って次に繋がるっていうのは、まさに「みんなが作るステージ」みたいだし。

中村:なるほど。

DÉ DÉ MOUSE:そしてそういうのも「楽しい」って思わせるが演者の技量だと思うんですよ。例えばライブを見ているときに手を上げるのってやっぱ恥ずかしいじゃないですか。たまたま隣になった人なんだけど、その人に見られているというのを意識しちゃうからなんか恥ずかしい。だけど「あなたの横にいる人とはもう金輪際会わないかもしれないんだから、気にせず楽しんだらいいじゃん」って、垣根を取っ払ってあげるのが演者に求められていることだと思うんです。だから僕はその恥ずかしさをちょっとでも和らげられるように自分から手を上げるようにしてるし、僕だけじゃなくて最近のDJってみんな自分からパフォーマンスするようになっていて。

鈴木:そのタガを外してあげるのが演者だと。

DÉ DÉ MOUSE:演者とかプレイヤーって楽しみ方を指南する存在なんですよ。例えばみんなが知らない音楽で、ノリ方を教えるとか。そしてその楽しみ方を一回知っちゃうと、別の現場に行っても「オレはこのノリ方知ってるぜ」って楽しめるんです。だからみんなの「隣の人に見られているかも」みたいな心の縄をほどいてあげるのが演者の役割だなと。そしてそういうことにもKAGURAを楽しく使えるんじゃないかな。

(了)

いかがでしたか? DJパフォーマンスとKAGURAの可能性に改めて気付かされたトークセッションでした。プレイにKAGURAを取り入れてみたい!というDJのみなさん、まずは無料版のKAGURA Freeを使ってKAGURAでの演奏を体験してみてくださいね。フル機能が動くKAGURA Proをゲットして分からないことがあったらFacebookのKAGURA Users Groupで質問していただければエンジニアスタッフが回答します。マニュアルも充実させています。ぜひKAGURAで新しいパフォーマンスの世界を広げてみませんか?

「KAGURA Scene Vol.1」のイベントレポートもあわせてお読みください。レポートではイベントの模様や写真はもちろん、イベントの録画をYouTubeやLINE LIVEで見たいところからご覧いただけるようにリンクを貼っています。

KAGURAの魅力をギュッと詰めたイベント「KAGURA Scene Vol.1」開催レポート